大人の図鑑カフェ

喫茶手紙寺分室 書きたい場所 04(※8/18追記)

喫茶手紙寺分室 書きたい場所 04(※8/18追記)

喫茶手紙寺分室さんのブログ(note)のリレー連載記事「書きたくなる場所」にてfumikuraをご紹介頂きました。
(手紙専用の座席がある、図鑑に囲まれた「大人の図鑑カフェ fumikura」【書きたくなる場所 04】)

手紙寺さんは、手紙を書くことを通して自分の内面を見つめたり、大切な人へ本当の想いを見つける手立てのなるようにと活動を始められた経緯があります。

発起人は大宰府に縁を持つ證大寺の二十代目住職の井上城治さん。

_#00『喫茶 手紙寺分室』noteのはじまりに_
という文章の中に、井上さんの想いが随所に抜粋されています。

まず一段落を引用させて頂きます。

__不安なとき、立ち止まって考えたいとき、一歩を踏み出したいとき、
自分だけでは自信をもって進めないときがあります。
そのような時に、大切な人を想いながら気持ちを文字にすることが大切だと考えます。

その文字が集まって、手紙になるのです。

卒業、就職、転勤、離婚、死別、人生では数えきれないほどの別れがあります。
様々な形の離別に向き合えないときにも、手紙を書くことで
抱えきれない想いを下ろしていくことが出来ます。

物理的には届けることの叶わない「あの人」に宛てた手紙をお預かりして
手紙寺でお焚き上げをすることで
想いを届けていく活動として手紙寺として始めました。__(note#00より)

昨年の1月、映画「ラストレター」の手紙プロモーションとしてご紹介を頂いた際に、私はこの理念に痛く胸を打たれました。

ご紹介頂いた記事中のインタビュー(youtubeはこちら)でもお話をさせて頂きましたが、 人は未来への希望や不安の反対側に過去に荷ほどきを忘れた大きな後悔を背負っていると感じていたからです。
それらは誰かに話す事も出来ず、自分の中に硬く重く詰まってしまっていて、
吐き出す事の出来ないし、抱えて生きるのも辛い難物です。

それを手紙を用いて少しでも昇華していこうという試みには共感しか有りませんでした。 映画のプロモーションが終わっても手紙寺さんのポストを置き続けたのはそんな理由です。
喫茶店という舞台装置がお客様の一つの吐き出し口として機能するのなら、
それは私共にとってもお客様がリラックスできる癒やしを提供できると考えたからです。
元々のfumikuraの原点は
「日常に疲れたお客様が、家に帰る前にリラックスして気持ちを切り替える場所」を目指していたからです。

更に井上さんの引用を続けます。

__手紙処を作ったことで、都心にこそこんな風に心穏やかに手紙を書く場所が必要だと考えるようになりました。
心を整えて手紙を書くには、自分だけの時間が時には必要です。
でも、家ではこの切り替えがなかなかできません。

だから、都会の中に手紙や想いと向き合う場所を作りたい。
古くからある喫茶店のような、落ち着いた佇まいの手紙寺を作り、
究極的には世界の街の中に、当たり前にそんな場所があるようにしたいのです。__(note#00より)

そんな想いの下、【書きたい場所】のひとつとして当店を選んで下さった事は大変に光栄です。
私共の店は歴史も浅く、経験不足の点も多々有る未熟者でございます。
それでも、志がほぼ同じことをとても嬉しく思いました。

そして、ご紹介を賜った事を期に書いてみたのが「星に願いを、筆に想いを」という記事です。
力量不足で上手く言葉を紡ぐ事は出来ませんでしたが、
お客様にとって縁遠くなっているであろう”手紙”が、
どうか暖かな熱量をもって心を温める手段になったら良いな、との想いで書いてみました。

喫茶手紙寺分室では、”手紙を書きたくなる場所”だけでなく、
【手紙の助け船】にて、手紙を書きたい気持ちに寄り添ってくれる様々なコラムも連載されています。
ひとつひとつ言葉を選びながらも簡潔に、そして読みやすく。
それは、ふと誰かに想いを伝えたくなった時に、心のハードルを下げてくれる事と思います。

<fumikura的ご推薦本>
「名文を書かない文章講座」村田喜代子 葦書房 (2000/7/1)

私はどうも冗長な文章を臆面も無く書き綴る悪癖があります。
(店舗ブログでこのような長文を書くぐらいですので……。)
そんな私が教科書のように読んでいる本がこちら。
手紙のような短文とは毛色が違うと仰る方もいらっしゃるかもしれませんが、
この本の核とも言える、 

__1. 自分にしか書けないことを 2. 誰が読んでもわかるように 書く。__

という文章の本質をはじめ、様々なエッセンスが簡潔に散りばめられています。
肩肘を張らないで書く文章に、想いがこもる。
それは手紙にも通じる、とても普遍的な事だと思います。
お手にとって頂けましたら、幸いです。

<手紙を書くお供に>
手紙寺郵便の過去行きや未来行きの郵便キットをご提供しています(無料)
・楽しく手紙を書くためのお席や、
 ガラスペン作家「哲磋工房」さんのガラスペン、インク、スタンプをご用意しています。
※ご自身の荷下ろしに、愉しみながらお使い頂けましたら幸いです。※ 

<2021.8.18追記>
・2021年7月15日NHK『所さん大変ですよ』にて「大切な人へ 死後 届く手紙」という内容で手紙寺の活動も取り上げられたそうです。 「亡くなったあとでも本気で書いた想いは古くなったりしません」手紙寺 発起人 井上さんの言葉より。
・「手紙参りポストがある、穏やかなカフェ6選。」にて、
改めてご掲載を賜りました。
https://note.com/tegamidera/n/n3b8d96305162