大人の図鑑カフェ

午后の紅茶(勉強会)

午后の紅茶(勉強会)

営業自粛中、お客様のお持ち込みによる休業見舞いを兼ねた紅茶の勉強会がありました。(私・母・お客様の3人。三密を避けた距離で開催されました)
“紅茶のテイスティング”と言うと、
ハロッズ、フォションやフォートナム&メイソン、ウェッジウッド、マリアージュフルール、エディアール、日本ですと高野、紀伊國屋、三國屋善五郎などの「百貨店やホテル・ブレンドメーカー」の利き比べという傾向が強いんです。
基本的に個々の味が解りやすいように選ばれています。

しかし、その日の授業(お客様の持ち込み)は、ダージリン地方限定、農園別利き比べ。(O_O)
更に農園でも春摘み・夏摘み・秋摘みの3パターンで、そこに茶葉の等級が加わるという無茶振り。
(更に細かい場合は茶葉を寝かせた採集年が加わるパターンもあるのだとか。考えるだけで恐ろしい。)
11種類ありました……。果たして店長や副店長(母)の舌で利き比べが出来るのか??と、かなりの不安を感じつつ望んだお茶会でビックリする事が起きました。

産地が同じなのに味が全く違いすぎて、玄米茶とジャスミン茶とアッサムが見え隠れする有様。
正直に言うと、アッサムとダージリンとウバ、キャンディーなどの違いを「イメージだけで語っていた」自分が情けないわと思い知った次第。
標高や季節が変わるだけでこんなに違うのか。ワインと同じぐらい奥が深いのではないか?とまで思いました。(実は緑茶も日本人は無意識のうちに産地の好みがわかれたりしているので、それなりに奥が深いのですが。)
もう訳が分からなくて泣きそうでした。
コーヒーで言えば、
キリマン縛りの農園別、煎り浅中深みたいな感覚。
最後はわかりやすく、ケニア産のアールグレイで〆。
「アールグレイのベルガモットはト○レの芳香剤みたいだ」
なんて毛嫌いしている人が身近にも結構いらっしゃるのですが、最近はベルガモットの天然香料は希少なんです。
今や貴重な天然ベルガモット薫香、柑橘が舌に痺れる位に印象が強かったです。
アフリカ産の茶葉も増えて参りましたが(実はそう明記していないだけの場合もあります)、
まだまだ認知度の低いケニア紅茶。更に天然ベルガモット使用となれば、味はハッキリと解りやすい。
いずれメニューに登場するかも、です。

そして、
SFTGFOP1なんて等級は初めて味わいました(^^)
ここまで来ると食品メーカーかな?
という貴重な経験をさせていただいた夜でございました。

<お茶のミニ知識(紅茶だけ深掘り)>
①茶の種類
・白茶(最古):君山銀針茶(インゼン)・白牡丹(パイミュータン)
・緑茶(無発酵):釜炒茶・蒸茶・抹茶・焙じ茶(薫茶)
・黒茶/赤茶(半発酵茶):烏龍茶(中国式10-15%発酵/台湾式60-70%発酵)
 ・鉄観音茶・武夷茶・プーアル茶(ユンナン:雲南)・凍頂烏龍茶(台湾)
・中国燻製茶(半発酵茶を鉄板で焙じる):ラプサンスーチョン
・紅茶(完発酵)
・青茶※未確認
・フレーバリーティー
・固形茶(唐代・輸出用:レンガのような型に入れて固め削って粉にして使う・スパイスを加えて煮出す)
 プーアル茶が多いが緑茶や烏龍茶もある・ビアン チャオ茶・チュオ→チャイ

②収穫期(以下の項目はすべて紅茶の分類)
・FF(ファーストフラッシュ:春摘み)
・SF(サマーフラッシュ:夏摘み)
・AN(オータムナル:秋摘み)

③茶葉等級(農園や会社により表記が異なる場合も多い)
・S(スペシャル)最上級
・F(ファイネスト)上級
・T(ティッピー)ゴールデンチップを多く含む
・G(ゴールデン)ゴールデンチップ(淡黄金色葉)
・F(フラワリー)一番葉
・OP(オレンジ)二番葉
・P(ペコー)三番葉/短い葉でチップを含まない
・PS(ペコ・スーチョン)三番以降/短く太い葉
・S(スーチョン)太い葉長軸方向に丸めた物/中国燻製茶に多用
・1(ワン)メーカーや農園により特別な物に番号を付加。文字列の最後につける。
・FP(フラワリーペコー)特別な方法で球場に丸めた葉の事
・B(ブロークン)細かく裁断したもの/ティーバックに最適
・F(ファニング)粉砕茶/ファスト抽出に特化
・D(ダスト)最も細かい茶葉
・CTC(クラッシュ・テアー・クーアル)押しつぶし・引き裂き・丸めたティーバック仕様の製法のこと

例:S.F.T.G.F.O.P.1(スペシャルファイネストティッピーゴールドフラワリーオレンジペコーワン)
  T.G.B.O.P(ティッピーゴールデンブロークンオレンジペコー)
  F.B.O.P(フラワリーブロークンオレンジペコー)
  B.P.S(ブロークンペコースーチョン)
  B.P.O.F(ブロークンオレンジペコーファニング)
  

④フレーバリーティー
着香、もしくは茶以外のバーブをブレンドしたもの
・古典フレーバリー
 ジャスミン、薔薇、オレンジフラワー、ヤグルマギク、蘭など。
 ベルガモット着香など
・ファンタジー
 フルーツ(カシス・フランボワーズ・アプリコット)
 スパイス(ジンジャー・シナモン・ヴァニラ・トロピカル)
 ミックス(上記2種も混合)