木枠の中に納められた植物たちの写真が標本のような印象を与える、独創的な植物図鑑。
一般的な植物図鑑が「自生状態や一年を通した植物の生育状況」を解説するのに対し、
こちらは採取後、いわゆる「死んだ状態」になってからの香料としての使い方を解説しているからだ。
身にまとう「香水」の原料となる植物、
その香料の抽出、調合方法から、香りの印象や喚起させるイメージなどを、調香師が解説を編んでいる。
使われている代表的な香水も載せてあるため、
香水に興味のある方なら、その知識の深みにはまるはず。
一般的に、本は視覚以外の嗅覚や味覚について伝えることが難しい。
それを、代表的な香水に置き換えることで、その特徴を伝えようとする意欲的な図鑑だと思う。
個人的に香水自体に詳しくは無いけれど、
木枠やシャーレに納められた植物の樹皮や花などを眺めているだけでも楽しめます。