CABARET LPT Vol.4 JAPANESE PERAFUMES IN THE POSTWAR SHOWA

去る某月某日(某)、19:00-21:30まで当店貸し切りにて、香水ブログ「LA  PARFUMERIE  TANU」様の主催による、クラシック香水のトークイベントが開催されました。4度目の開催となる今回、講演内容は 【CABARET LPT Vol.4 JAPANESE PERAFUMES IN THE POSTWAR SHOWA】ということで、「なぜ日本のクラシック香水は絶滅危惧種なのか?」をテーマに、戦後昭和に花開いていた煌びやかな香水文化があったこと、そして、現在売り継がれている名香も細々ながらしっかり残っている事など、今回の切り口は「JAPAN」という地域特化型のキャバレーでした。今回はまさかの「店長インフルエンザによりダウン」のため、全編動画視聴というサテライト会場での参加となってしまいましたが(お客様及びteam LPTの皆様には御迷惑をお掛け致しました)、場の空気こそ読めないものの、しっかりレポートさせて頂きます。TANU様による専門性と質の高い講演はまさに縦横無尽。絶妙なユーモアを交えてご参加のみなさまを惹き込んでいきました。今回は「合成音声読み上げソフトによる某系列会社元美容部員の談話」など、ワイドショーもビックリの演出も取り入れられていました。この学術性の高さにどこまでエンタメ要素を突っこんでいくのか、、、(笑)

 詳しい内容(紹介品)に関しては前回からLPT様のブログに詳細が掲載されておりますが、トーク内容はさらに深く際どい表現に差し替えられている所もあり、写真撮影やSNS等への投稿は御法度。そして何よりこのトークセッションではムエット(試香紙)による実際の香りを体感しながら比較できることもあり(今回はなんと11種類!)、今回も盛況のうちに幕を閉じました。懇親会ではボトル実物を手に取ることも出来(前回からボトル展示の特設コーナーを設置)、終始和やかに進みあちこちで話題の花が咲き、最後まで皆様盛り上がっていた、、、、との事(T_T)ミタカッタ

まずは恒例のオープニング動画&登場シーンで期待が高まります。オープニング動画が毎回どんどん進化しているのがお判り頂けるかと。本当はこの後驚きの展開があるのですが音楽の使用制限上ここでカット。4匹の狸さんはteamLPTとの事です。一番上は、、、どなたなんでしょうか(笑)。門外漢の私が書けることは限られているのですが、レポートを少しだけ失礼します。

毎回驚かされるTANUさんの切り口、今回は“戦後日本”という地域の切り口でした。正直、海外から日本のクラシック(もしくはニッチブランドの香水)がどのように見られているのか、少し不思議に思っていました。いわゆる化粧品大手メーカーの香水のイメージが、一応は地味ながらそれなりの大学時代を過ごした我が身としても、実感として余りにも印象が薄い。弁当屋時代の若いスタッフが身につけてくる香水も、流行のファッションブランドではありますが、没個性というか、似たような系統を皆してつけている感じで(若い上にアルバイトの飲食勤務に賦香率の高い香水は経済的にも店的にもアウトのは承知の上ですが)、めっきり聞かなくなった国産香水について語って頂けるというので、今回も役得として楽しみに話を伺いました。(サテライトですけど、、、)。そう言った関係で全編動画を頂いているのですが、残念ながら内容的にこちらで掲載できそうなが動画切り取れないので文章onlyにて失礼致します。

改めて感じたのは、TANUさんの語彙の豊富さです。今回の例で言えば、<寸止めの美学>、一歩間違えばサブカルに転落するところを危うく留まっている攻めの姿勢が私は好きです(^_^)他には、所品ラインナップの豊富さと共に誰にでも手が届くと言う意味で登場した「松竹梅鶴亀タヌキ」など、、、言葉遊びでなく正鵠を得ているのが痺れますね。本当に少量の毒物は妙薬って事を思い出しました。

前回、こちらのレポートで書いたように「幼児成熟」と言う言葉。ピーターパンシンドロームにも似た、大人になりたくないのか成りきれないのか解らないような人が(男性/女性問わず)確実に増えている日本。香水の持つ「明文化できない色っぽさ」、秘められた香り、というのが求められなくなり、そう言えば自分も、そして周囲を見ても香水を自分に合わせて身にまとっている人をなかなか見かけなくなりました。ユニセックスな香りが溢れているのも、いやはやなんとも、香水には受難の時代なんでしょうか。TANUさんは一部で香水の尺度(その時は中毒度)を“殺傷力”に例え、名前をもじって片や麻薬(アヘン)、片やジェネリックには珈琲(カフェイン)と、その場に応じた機知のあるトーク回しを展開(笑)されていました。

まず勉強になったのは低温低湿の欧米と、高温多湿の日本の風土的に求められる香水が異なる事。欧米手では「香水+(乾燥を防ぐ)ボディローション」が主流なのに対し、日本では「香水+ボディパウダー」でパフパフ。なるほど、昭和時代には老若男女共にシッカロールやベビーパウダー、タルカムパウダー、有名ブランドではありませんが確かにたくさんお世話になりました。

今回の写真にも載せたように、飲食店であるfumikuraに最大限のお気遣いを頂き、香りを閉じ込める袋にムエットを入れ、説明中に取り出しては「ええ~香りや~©TANUさん」と楽しんで頂きました。今回の主な流れとして、私個人の感想としては欧米でTANUさんがあちこちで言われた【日本は香水文化が成熟していない】という事に対する論理立てた反論であったろうと感じました。もちろんTANUさん自身、日本におけるクラシック香水の評価は芳しい物では無いが、過去には世界的にも爆発的ヒットし、評価を得た王道クラシック香水がいくつもあったことに言及した上で【現在その文化が受け継がれずに退化している】事を憂慮されて居られる感じでした。例えば、日本の香水を先ほど「寸止めの美学」と表した裏側には、お米人が手に入れたくても出来ない「胸板の薄さ(華奢さ)」を調香で表現したり、欧米での固定的な日本のイメージである(その時点で既に日本の中でも少数派となりつつあった)「禅」や「琴」「舞」、またはひらがなを毛筆書体で書くような日本的デザインと相まって、相当な評価を得たようです。また、戦後は和装の方々も多く、それを意識して調香されている物も少なくなかったようです。

では現在は、、、と言うと少し悲しそうな顔をされていました。最大手の資生堂でさえリニューアルや改変を繰り返した挙げ句、この時期のクラシック香水は廃版に次ぐ廃版で風前の灯火。加えて、日本では香水販売の主流でもあった専業主婦に対する訪問販売も、女性の地位向上と働き方環境の変化により衰退し、一部サロンやエステ、果てはオンラインショップの非対面方式に切り替わっているそうです。家族構成や職業などをきめ細やかに把握し「お客様の欲しいもの」を提案できる「あなただから買う」という人間同士の信頼関係が損なわれてしまったのは、地域社会として残念と言える結果だと思います。(最近は全て「事案」として片付けられてしまう世の中、、、)

今回は上記ムエットのように、国産香水メーカーさんの多大なご協力の元に資料が調えられたようです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

そして、今回一番私の耳に残ったTANUさんの名言はポーラの調香基調を称して「お母さーん。」と表現されていた事。これから列挙引用するLPTさんの記事の中にも登場しますが、香水はレシピを変えずにに祖母・母・娘・孫(あるいは祖父・父・息子・孫)へと連綿と使い続けられるのが名香だと思います。売り上げの多寡に左右されず、「作り続けて売り続けることが香水の文化を繋げる」と仰有った中野ブロードウェイの香水店の店主様の言う事には、私も画面前で大きく首を振った次第。だって、香水って香りがスイッチとなって懐かしい記憶と結びつき、その頃の気持ちの在りようと共に様々な事を思い起こさせる舞台装置で在るとも思うんです。良き想い出に囲まれた名香を、年を経て父と同じ、母と同じ香りを身につけられる幸せもまた存在すると感じます。

この度も、楽しい講義を有り難うございました。(今回の相互乗り入れ記事についてはこちらをご覧下さい)

☆登場香水への記事など(一部)☆
<資生堂>
http://lpt.hateblo.jp/entry/2013/12/15/180000
http://lpt.hateblo.jp/entry/2013/12/17/180000

<メナード>
モンプティルゥ
http://lpt.hateblo.jp/entry/menard1
メルファム
http://lpt.hateblo.jp/entry/menard2

 

【イベント概要】

<CABARET LPT Vol.4 JAPANESE PERAFUMES IN THE POSTWAR SHOWA>

主催:香水ブログ「LA  PARFUMERIE  TANU」様

http://lpt.hateblo.jp/

 

 

<バックナンバー及び著作寄贈>

香水専門誌PARFUM 平田幸子様

http://parfum-specialist.com/

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2017-04-20 | Posted in お店のコトNo Comments » 

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