お店に揃えているビールの中で、【BLUE MOON】という銘柄について、少し。
天体好きの僕が、その印象的な名前から店のビールの品揃えに加えたBLUE MOON。実は発泡酒でオレンジピールなどを加えた爽やかなカクテルビールなのですが、発売会社(アメリカ)がその名付けとした説にちょっと違和感を覚えたので、お店のラインナップとして選定した立場として物申したく、ここに書いてしまいます。
公式ホームページには__数年に1度だけ、月に2度目の満月が巡ってくる「BLUE MOON」の日__と、あります。暦法によって多少の違いがありますが、数年に一度は「必ず巡ってくる」、いわば確定された日のことを、BLUE MOON と呼んでいます。「スーパームーン」もそうですが、最近、月関連の現象を安売りしすぎ、、、という印象。なので、この記事の冒頭にはどこかゴキゲン斜めなセリフを吐かせています(笑)
ブルームーンには2種類の説がありして、僕が採りたいのはもう一つの方。火山の噴火など大気中の塵による光の屈折現象によって【本当に青く見える月】が極希に予測無く起こる事です。wikiに依れば、天体現象や気象現象で「これ」と定義されたブルームーンって、無いんですよね。あくまでも暦との関連での「命名」だと。
とはいえ、浪漫派の天体マニアとしては、慣用句として親しみにある「once in a blue moon」から【本当に青く見える月】をBLUE MOONと呼びたいです。青月は「フルムーン(満月)」とも限りませんが、「滅多に訪れない稀な事」「有り得ない事」という意味で使われる訳ですから、何年に一回とか予測が出来る範囲内のBLUE MOONは決して「あり得ない事」ではない。そもそも暦上のBLUE MOONって、青くないですし。
販売会社の公式イベントでは、「once in a blue moon」の慣用句も引用した上で「滅多に無い夜を楽しもう!」という販売プロモーションを組んだりしていますが、天体現象で「滅多に無い事」というのは十年~百年単位です。色々と販売的な絡繰りがあるのは承知しつつも、仮にもラベルを「青い月」にしているのだから、そこは妥協せず詩的を貫いて欲しいところ。滅多に無い事だから価値がある。滅多に無い事を「凶兆」ととらえた古代や中世と違い、近現代は「吉兆」。それにあやかる名前を付けたのだから、良いとこ取りとか、ミスリードは止めようぜい。
詩的(文学的)表現で言えば、「青月の下で会いましょう。」は、「出来ない約束。」のこと。「あなたとお付き合いする事は無いですよ。」との断り文句。今はどうか知りませんが、Barで「ブルームーン」のカクテルを注文されたら、つまり、そういうことと諦めろと先輩から聞かされた事があります。
夢のある話と無い話ですが、どっちの意味で使うかは、、、まぁお好きなようにとしか書けません(笑)でも、本音として(店主として)はフラれてる現場は見たくないなぁ。吉兆来福、目出度い時や景気付けに、グイッと飲んで欲しいビールです。当店はbook cafe ですから、お好きな方は「月の本」もご一緒にどうぞ。