その道のプロの方にお願いして、その方が参考にされている本を願い倒して紹介して頂くこのコーナー。「店長の眼」だけでは偏りが出るため、毎度毎度、「その道のプロ」を口説き落とすわけですが。皆様遠慮なさる方が多いため、いつも難儀する問題のコーナーでもあります(笑)※今回は本の出来があまりにも良いため展示期間を1ヶ月延長して6月31日までを予定しています。
今回はなんと、、、明治・大正・昭和初期の図版関係を蒐集されている公然の秘密結社「大日本レトロ図版研Q所(図版研)」さまにご協力頂きました。
今回の現物展示は、開店祝いに友人から頂戴した「八分儀(復元)」や「アストロラーベ」「天球儀」「星時計」です。御推薦本の図版に実際に出てくる品物(複製)になりますので、その雰囲気と本書の内容と併せて学びを深めて頂ければ幸いです。(展示品に付き非売となります、ご注意下さい。)
<御推薦本と御推薦文>
『「天文学と印刷」図録』
印刷博物館学芸企画室+トッパンアイデアセンター+五柳書院
(2018年 凸版印刷 印刷博物館)
流石は屈指の印刷会社、と感歎させられてしまう、装幀、造本、用紙の選択、配色、どれをとっても近来出色の出来といっていいゴーカな企画展図録。天文学の発展に印刷物が如何に寄与したか、そして天文学という素材が如何に魅力ある出版物の出現に貢献したかがこの一冊のうちに眺められ、現代のわれわれの好奇心や知識欲もぐいぐいと引っ張り起こしてくれる。観覧者が「ここが見たい」と思う勘所がしっかり押さえられており、また出展されていた内外貴重書の、冊子体であるが故の制約により展示会場ではみることができないページもいくつも収録されていて、実際に印刷博物館へ脚を運べた者にも運べなかった者にもそれぞれの見応えを与えてくれる構成になっている。平開性と耐久性とにすぐれたコーデックス綴じのよさが十全に発揮されているばかりでなく、縢り糸や折り丁の背側に露出する部分に黒を用いることで、黒字金箔押しで天文図版を全面にあしらった表紙と相俟って、宇宙の闇を思わせるシックな会場内装も含めた全体の統一感と、そして「読めるオブジェ」としての美しさとを現出させることに成功している。銀地白箔押しに黒いロゴをあしらった函との対比も絶妙だが、欲を言えばこちらももう少し厚手の板紙を採用してあったら、バランスがなおよかったと思う。
<店長からの返信>
ご推薦並びに、素敵な書評を有り難うございます。本当に溜息が出るほどに素晴らしい図録です。博物館曰く_本展図録が第60回カタログ展にて、文部科学大臣賞+柏木博賞(店長注:デザインや意匠に関する賞)を受賞_したそうです。本展のテーマである天動説から地動説への変革を、表紙のイメージに用いているそうですが、、、内容も天文学に浪漫を求める僕のような人間には垂涎としか言い様がない様々な図版が歴史と共に整然とならぶ様は驚嘆の一言です。何人ものお客様に「絶対に本展を見に行った方が良い!ていうか店休んででも行くべき!」とお薦めを受けたのですが、体調不良が重なり、会期最後の定休日(火曜)に出掛けたら連休の翌日で臨時休業という大チョンボ、、、本展には図録とは別に、図録にも用いられている黒い紙に銀色インク印刷という凝った展示品目録や、8種類集めると1枚のポスターになる仕掛けのチラシなど争奪戦必至のアイテムもたくさんあったようです。プラネタリウムの予習、、、にはレベルが高すぎるかも、、、(でも頑張って勉強します<m(__)m>)
<御推薦人>
大日本レトロ図版研Q所
明治・大正・昭和初期の科学系・デザイン系図版資料などを蒐集されている公然のヒミツ結社「大日本レトロ図版研Q所(図版研)」
LINE ID: lab4_retro-illust_jp
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図版研架蔵資料目録Blog:http://lab-4-retroimage-jp.seesaa.net/
図版研附属展示館:https://muuseo.com/lab-4-retroimage.jp
☆なおJR中央線阿佐ヶ谷駅近くにある「ねこの隠れ処」というお店が「図版研」の対外窓口になっているとの情報を掴み、先日おそるおそる見に行ってきました。
「東京・阿佐ヶ谷 古道具舗 ねこの隠れ処(かくれが)」
古物商:東京都公安委員会許可第304370606733号
〒166-0001
東京都杉並区阿佐谷北二丁目10-10
電話 03-5356-9625
Twitter:店主みすゞにゃん @Misuzu_nyan
Facebook: http://on.fb.me/Vdetpm
ねこのかくれが雑記Blog: http://kuronecosiloneco.seesaa.net/
可愛い看板がお出迎え。そして三毛猫の店主、みすゞにゃんが愛想も良く接客。商談などは基本的に店主代理の方が対応する面白い店舗です。破格でしたので衝動買いでちゃぶ台を買ってしまいました(正確には手付けですが)(‥ゞどうやって持って帰ろうかな、、、
たばこ屋のカウンターと思しきショーケースや、写真のような木造にガラス嵌め込みのお風呂屋さんロッカーを什器にしてらっしゃいました。なんと鍵も現役!委託雑貨などを管理するのに良さそうですが流石に売る気は無いでしょう(※そしてfumikuraの財力では到底買えません※)【ここにあるからこそ馴染むもの】という道具が世界中にあるように、しっくりとお店の一部として馴染んでいました。
面白い物がたくさんありますので、今後、フェアの実物を探しに来たり、イベントをご一緒することが出来たら楽しそうですね!