__夢見る頃を過ぎても(その1)__
※このシリーズ(全3編)は
大学時代からの夢想を、箱庭として文章に起こし、、
ずっと心の奥底で温めては思いついたことを書き足し書き足ししていた物です。
根本は高校2年生~大学3年生までエッセイとして図書館機関誌(2誌)に寄稿していた頃(1993年)に遡ります。
(他の人の目に触れさせたのは2005年11月9日からmixiで数ヶ月に分けて掲載したのが最初です)
はじめは【図鑑カフェ】ではなく【雑貨店】を始めようと思っていたのですが、
ずっと仕舞い込んでいたこの箱庭が突然開いたのが4年前の夏。
弁当屋の契約をこちらから解約する段階になって、
突然、心の奥底から浮上してきたのが、この箱庭でした。
参考文献は後ほど記載しますが、
この構想を軸に、
その芯だけをコンパクトにまとめて実現してしまったのが、
お解りでしょう、図鑑カフェ【fumikura】です。
規模はもちろん縮小、かつ妥協に継ぐ妥協の塊でしたが、
様々な制約を乗り越えて、また、様々な方々のお手を拝借して、
開業3年足らずで実現出来たことが驚くほど多いのは不思議です。
本当はまだ恥ずかしくて、5周年まで仕舞って置こうかとも思いましたが、
3周年という節目に、店長の心の奥底に脈々と息づく様々な想いを、
なるべく部門別に整理して、お伝え出来ればと筆を執りました。
<2015年>
そもそも弁当屋の閉店から工事開始まで半年もなく、
更に言えば大家さんに物件継続交渉のプレゼンを掛けるまで
たった一週間(弁当屋は絶賛営業中)という突貫計画でしたから、
この文章にはずいぶん助けられました。(上の写真は設計の途中段階:基本設計は自分でやりました)
久々に読み返してみて、
「ああ、これが原点だったんだな。」と思えたので、
とてもとても青臭い文章ですが、ほぼ原文にて晒してみようと思います。
ものすごく長くなりますので3分割致しますが、、、
、、、ほんと読んで貰えるのかな(笑)→実践論は(その2:中編からになります)
んんん~?? と思う方は先に(その2:中編)(その3:後編)をお読みになることをお薦めします。
それでは、南無三。どうか皆様がドン引きしませんように(祈)<m(__)m>
<序章>
__二十何年か前の話になりますけど、
400億円の宝くじ高額当選が出た、というニュースを新聞で読みました。
アメリカのオレゴン州だったかな。
相変わらずスンゴイ規模な事をやっとるなぁ。
と思いつつも、
400億あったら何が出来るんだろう。と、夢想。
かなり前の、
日の出の勢いが有った頃のライ●ドアの入社試験の問題に、
「100億円あったらどんなプロジェクトをするか?」
というようなものがあったんですね。
その更に4倍、だからなぁ。
大人になってくると、
どうも「発想力」の限界が実生活と直結してくる。
あまりに途方もない金額になると、
相場や単価の想像すらつかない。
むしろ、大学などで遊んでいたときの方が、
具体的な数字で夢想出来た気がする。
それは勿論、机上の空論ではあるんだけれど、
実際に数字が出てくるところが大学生らしい、といえば、らしい。
高校ぐらいでは具体的な数字までは、そう出てこないし。
生涯年収をある程度計算できてしまうと
そういった夢想とはどうしても縁遠くなります。
これは怖い。
夢想の楽しさを忘れてしまっては、
人生も人間も、なんだかつまらなくなってしまいそう、ですよね?
そんなわけで、
気恥ずかしい夢ではありますが、
夢語りは箱庭療法みたいなものなので、
誰に読んで貰おうと言うよりは、
自分で書きながら再確認して、膨らませていきたいなぁと。
30歳目前にきてまでも夢を語るのは、(※現注:書いた当時はそんな年齢でした)
「滑稽」の一言に尽きる。
それでも
「こんなことが本当にできたら面白いだろうな。」
そう思いつつ日々を過ごし、
暇に飽かせて本を読み、そして夢想することを、
僕はやめようとは思わない。
400億円という大金が目の前にあったとしての寝言だと思って読んでみて下さいませ。
※現注:
ちなみに、大家さんとのプレゼン直前まで
店名は『遊覧航路』で行く予定でした。
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__第一話:「夢見ることを諦めていませんか」__
中学の頃の夢は、教員になることだった。
高校の頃の夢は、司書になることだった。
大学の頃の夢は、
プラネタリウムの解説員(学芸員)になることだった。
長じて初めての職業に書店を選びつつ、
再び大学の夜間部に舞い戻ってまで二年間、学ぶことをやめなかったのは(科目等履修生)、
中学からの夢がすべて、一直線につながっていたから。
教員と測量士補を取得し、
司書・司書教諭・学芸員・社会教育主事(後に取得)と資格を食い散らかし、、
食品衛生や防火管理・古物商に手をつけたのは、
近づいていきたい目標があったから。
(※うち、司書・司書教諭・学芸員はまだ単位が足りていません※)
お店を開こう。
天井まで届く書架をもち、
大好きな様々な図鑑が所狭しと並ぶ、そんな雑貨店。
自由に本を読み、
気に入った本があれば実際に取り寄せも出来る。
ゆっくりまったり、
ひたすら趣味の雑談を交わせる空間。
建物は、そうだなぁ、
八角屋根の尖塔(望楼)に風見鶏をつけた、
木造平屋の洋館がいいな。
天井は高く、入り口には丸窓のステンドグラス。
玄関ホォルには
小さな楽団を一つ持つような、
ブック形式の大規模ストリートオルガンを備える。
ミニ茶会での定期演奏を企画しよう。
小噴水を備えたサンルームも忘れてはならないし、
店の奥には大きな円蓋のプラネタリウム。
夜の茶会では星を見ながら常連様と雑談。
地階には教会的(聖堂的?)な小ホールを擁し、
リブ・ボールド形式の天井に、
小ピッチのパイプオルガンを併設する。
声楽隊のクリスマスコンサートを恒例にしよう。
自慢のお菓子と、紅茶やハーブティ。
シラップソォダなどの飲み物もいいね。
朝はお休み。
放課後から夕方は学生を対象に、
日没から深夜は大人タイム。
大人タイムにはコーヒーと水タバコも、OK。
雑貨も少し、置こう。
中高生が買えるぐらいのチープな品で、
鉱石(宝石は駄目)や化石、
ウランガラスや建築模型。
舶来物の文具や絵地図。
封蝋やガラスペン、カリグラフィペン、
様々なインキに絵の具、色鉛筆、スケッチブック。
少し高価なプレゼントには、
寒暖計や地球儀、天球儀、
望遠鏡にコンパス(方位磁針)に、顕微鏡。
書き出すと止まらないな。。。
店内設備と商品はこれぐらいにして、
庭に目を向けよう。
寝っ転がって星を見るための丘状の芝生が欲しい。
そして、それを取り囲む桜。
洋館の屋根からは巨大な帆布を下ろして、
野外で映画を上演するというのも面白い。
「庭園」という形式ではなく、
温室を備えた「植物園」ぐらいの規模が欲しいか?
野薔薇のなかに埋もれるように置いてある
朽ちかけた青銅製の渾天儀模型なんか、
味があって良いだろうな。
もちろん、
ベリー類やグミ、苔桃などはジャムにしたりシロップにしたり、
あつあつの焼きたてパンや、スイートケーキと一緒に。
ベリーピッキングが好きな子供達のために、
ベリー類は基本的に自由にどうぞ~にしましょう。
そのへんは「天使の分け前」ということで(^^)。
いやいや、酒ではなくても木の実はそういうもんですよね。
子供と鳥の分は残しておくのが、
趣味人の心得というやつです。
店内用には畑を増設作るということで解決です。
地図を読んだり、
鉱石を見たり、
星を見て、神話や音楽を聞いて、
それらが全部、カフェでできたら、どんなに楽しい事だろう。
使うカフェから、参加するカフェへ。
そこでは大人と子供が共存して、
共に夢を見て、語らうことができるように。
雑貨店での郵便業務の取り次ぎ、
店内には私書箱を設置、
実家ではない秘密の郵便箱を持てることと、
常連さん同士の伝言を、あえてアナログで行えるように。
店内郵便用の切手やスタンプなども用意する事と、
便箋・封筒の一枚売りや、
その場で書けるように、
ガラスペンやインクの使い放題のサービスを提供。
その日の気分で好きなペンやインクで手紙を書くのが、
面白いかなと思ってみたり。
、、、私書箱にこっそりとプレゼントを忍ばせる、
そんな文化圏が出来るといいですね。
そして最後に旅券の取り扱い。
若いうちに旅に出よう。国内でも、海外でも。
そのお膳立ては、雑貨店でお手伝いします。
もちろん、雑貨店主催のツアーも仕込めたら、
面白いと思ってます。
できることなら、
各種文化施設のチケットも取り扱いたいけど、、、
まずは旅券業務が一番、「脱・子供」の役に立てる気がするので。
これには、一般旅行業務取扱主任者を取得しないとな。。。
腐っても地理学科卒、やって出来ない事は無いはずだ。
いざとなれば、既所持の友人を引っ張り込むとして、、、
本当に小さな事だけれど、
「共に食事をしたり」「共に夜を明かしたり」というのは、
絆を深める絶好のロケーションですからねぇ。
今の子供達は、
いったい幾つの夜を、夢を友と共に語り明かしているのだろう?
そして、
大人達もどれだけ、夢見る夜を過ごしているのだろう?
_博物館のように高説張らず、
教師のように成果を求めない。
本の中だけにとらわれず、
商業主義を追いかけない。
それは常に息抜きの喫茶と共に、ある。_
僕の辿り着いた理想、
それはやっぱり、プライスレスなのでした。
【店内設備の夢想】
・テーブルにはアロマポットと読書灯を標準装備。
・水煙草はサンルームに専用スペースを用意。
・組曲「遊覧航路」:ストリートオルガン用に作曲。
・「月のカノン」:パイプオルガン用に作曲。
・組曲とカノンは、留守電や保留音としても活躍。
・メッセージボードの設置(フライヤー不可)
・青空Cafe(后茶会)
・石油ストーブ(もしくはオイルヒーター)
・サモワール
・照明は白油燈(ランタン)。
・この際、部室規模の作業場(工具室有り)をいくつ解放するか???
(敷地は半地下で無理矢理つくる)
・cafeでの新メニュー「液果(シラップ)」
つるコケモモや、カリンなどを、ユーカリなどで味を締め、
温めて飲むゲル状のシラップに仕立て上げたい。
粘度をあげるならくず粉かコーンスターチ。
とろりプルリンと吸い飲むシラップは、風邪の予防薬でもある。
壜売り・湯煎をしてそのままトロリと飲んでもらう。
友達のお見舞い用として冬のみに売り出される。
もちろん小瓶にはデザインの一工夫。
・古き良きソーダファウンテンの設置
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翡翠雑貨店(骨子)
<店内設備(担当分野)>
・翡翠雑貨舗:地学雑貨・地理雑貨・理化学用品・文房具・CDほか
〇プラネタリウムBar
・菓子舗Ciello:製菓+製パン(製菓・製パン教室)
〇BOOK喫茶店遊覧航路&ソーダファウンテン、メディカルハーブ(イベント貸し有)
・千手工房:蜻蛉玉・銀細工・七宝・硝子工芸ほか(貸し工房)
・恩田文庫:図書室
・簡易郵便局:切手販売・郵便取次ぎ・私書箱
・旅券取り扱い業務(雑貨舗が代理店)
・講堂兼小音楽ホール(パイプオルガン)遠藤新仕様の三廊式・地階に建造
・喫煙室:シーシャカフェ(大人専用)
〇醸造部(ほぼ果実酒のみで、本格的な醸造は無し)
・学生部室棟(共用部)
・教室棟(共用)
・アトリウム(ストリートオルガン備え付け)
・簡易天文台(中口径の可動式天体望遠鏡)
・ゴーチェ子午環
・レプソルド子午儀
・赤道儀室
・楽団(付近の音大から招聘)
<店外施設(同一敷地内)>
・大温室(鉄骨硝子)
・果樹園(温室)
・アストラローベ(渾天儀)
・帆布上映設備
・演奏テラス
・畑
・円形丘状芝生に360度の桜を植樹
・温泉
・社員寮と学生寮(ドミトリー)
<組織>
・一般社団法人遊覧航路(理想)
・現実的な路線はNPO法人遊覧航路(文部科学省所管)
※ある程度上位の法人格が無いと、
教育関係としての権利優遇(著作権料などの免除)が受けられない可能性があため。
※また、二重価格制(と書くと誤解を招くが大人子供料金制で差額を寄付金収受:後述)
維持のため、
最低限として寄付金控除対象となる法人格が必要。
となると、NPO法人では多少困難なので、公益ではなくても一般社団法人格がどうしてもほしい。
本当に最低で何億必要なんだろうね、、、
<同居団体(NPO法人、実在団体を含むので一部伏せ字)>
・冒●遊び場協会(統括)
・生涯学習課(行政)
・里山教育団体
・雑木林保護団体
・山村学級/農林魚村学級との提携留学団体
・農林漁村体験学習プログラム団体
・空き地活性化プロセス事業者
<提携先>
・里山および農山漁村留学(対象NPO、市町村自治体)
・天体観測(各所民間天文台)
・鍾乳洞(日本洞●学会)
・文化祭支援(近隣の各中学高校・大学)
・雑貨店事業(cafe○○、○○堂雑貨、ほか個人レベルのクリエーター)
・鉱物化石採集(地学団●研究会、鉱物化●研究所など)
<人材>
・余暇講師制度(地域人材バンクほか近隣学校生徒との相互補完)
<適用資格、経験>
・社会教育主事補(社会教育法)
→既取得(専門は生涯学習、平等、ジェンダー、被差別と人権)
→実業経験有(公益社団法人日本盲人会連合 約1年)
・中学&高校教員免許(教育基本法、子供の権利条約、世界学習宣言)
→既取得(中学社会1種、高校地理歴史1種)
※本当は地学も取得したいが、専攻の関係で理科科は没なんです、、、
・学芸員補(博物館法)
→未取得実習残
(専門は地誌、民俗学、地理歴史、西洋美術史)本当は地学がほしい
・司書補&司書教諭(図書館法、学校図書館法)
→未取得単位残し
(専門は学校図書館、郷土資料、分類学、書誌学)
→実業経験有(書店勤務5年)
・地域連携&横断的NPO経験
→ふるさと往●倶楽部(地域物産販売、産業創育)
・測量士補
→既取得(地図測量、洞窟測量分野)
・国内旅行業務取り扱い主任者、国際旅行業務取り扱い主任者
→未取得(旅券発券手配業務に必要)
・簡易郵便局資格
→未取得
・古物商
→既取得(新刊書以外を取り扱うために必要)
※便宜的に新刊書を古書落ちさせて取り扱う場合もあり得る
絶版書籍や古雑貨の購入手段の確保、
販売の場合はもちろん必要
・食品衛生管理主任者(既取得)
・飲食店経営免許
(飲食店営業・菓子製パン以外のテイクアウト資格有)
→製菓・製パンは別途免許が必要、
というか設備自体を増設しないと無理。
・特定混和酒開始申請書(申請済)
→自作の果実酒を店内で提供するための課税資格。
正確に言えば果実酒は「醸造」ではないので
税務署への申請だけで取得可能。
・防火防災主任者(乙種)
→既取得。防災計画が別途必要(提出済)。
<想定メニュー>〇印は既にメニュー化されているもの
〇雪中椀
〇ホットサンド
〇チリビーンズ
・手作りヨーグルト
・コンフィチュール
・月齢糖
・絵入り銅鑼焼
・ヴァンパイアローズ
〇ラムレーズン
・カッサータロマニョーラ
〇梅酒ゼリーラムヨーグルトソース
・ヴァンパイアローズ(シャンパンゼリー)ほか、ゼリー各種
・金柑ハニー☆
〇桜茶
・風邪シロップ(桃液果、林檎液果)
・シュークリーム各種
・天然酵母パン
・パウンドケーキ(北欧紅茶・オレンジ)
<飲料>
〇珈琲
〇オレンジ珈琲
〇紅茶(ダージリン・アッサム・キャンディ)品位はFOP or OP
・ロシアンティ
〇北欧紅茶(セーデルブレンド)
・ハーブティ(ハイビスカス&ローズヒップ・ミントほか)
〇シロップソォダ(梅・杏・苺ほか)
〇遊覧航路サイダー(保健所の認可済み)
<混和酒部>※特定混和酒開始申請書提出済み※
〇梅酒
〇果実酒
<イベント>
①店内
・ストリートオルガン演奏会
〇アトリウムミニコンサート
〇講堂(店内)演奏や講演
〇プラネタリウム
〇朗読会などの各種講演会(要権利関係整理)
②野外(そもそも野外に土地が無い)
・野外帆布上映会
・野外演奏会
・各種観望会
・桜会
③遠征
・天体観測会(提携施設)
・里山教室(提携施設)
・山村留学/農林漁村留学(休暇期短期/年間)提携学級
・化石鉱物採集(現地スタッフ)
・古道探索
・鍾乳洞探検(ケイビング団体と提携)
・廃校活用イベント
<理論補強(書評欄)>
・齋藤孝先生
身体論としての「ことば」については、さすがの齋藤孝先生が詳しい。
齋藤先生は、僕の教育実習の際、研究授業を参観して下さいました。
いつも講義に気付き要素がある、クリエイティブな先生です。
「ムカツクからだ」
・私達はどうして、ムカツクという言葉を吐き捨てるように使ってしまうんだろう。
湧き上がる言い表せないイガイガは、必ずしも心の葛藤だけではなく、
体に覚える嫌悪感を処理しきれない体の表現の一部なんだなと。
そのイガイガは昔から青年期の誰もが持っていたものなのに、
その処理の仕方を身につけられていないからこそ、起こってくる問題なのではないか? 若者の言葉は、常に時代を映す鏡、
体から直接発せられる生々しい言葉達の前で、まずはその心を見てみよう、という本。 「言葉の前に、体ありき。」というのは、実に解りやすく、成る程なと納得です。
書評日:2005/07/22
・小林繁先生は、社教の基本授業のほとんどを教わりました。
若干、生涯学習よりも人権教育に重きを置かれていたことに引っかかりを覚えますが、
それがあってこそ、僕の職の見方が変わった部分もあったりで。
「学びのトポス」
今の子供には三間(時間・空間・仲間)が無い、などと耳にします。
一方で子供の個部屋や家族の結びつきの喪失なども問題視されています。
子供を取り巻くライフスタイル変化の現状をデータで踏まえ、
【画一的な学校教育との対比】としてではなく【相互補完】としての社会教育の在り方を探っています。
教育関係の法制度の理念や狙いといった教科書的内容だけでなく、更に一段も二段も深い、
周辺教育の重要性が痛い程伝わってきます。
特に、受験教科外として疎かにされがちな道徳的分野に関して、
現場が避けがちな人権教育と真っ向から取り組んでいることも高く評価できる点だと思います。
【人はなぜ学ぶのか】【あらゆる場が学びの場(トポス)となるにはどうしたらよいのか】
深く深く考えさせられる良書です。
「私も一生、生涯学習を続けていこう。」そう導いてくれた本であります。
書評日:2004/02/19
・松田道雄先生
書店勤務時、返本台の山から掘り出した本です。
最初は職場の後輩との関わり方に読みかえて読んでいたのですが、
現在は高校生クルーとの関わり方として、相変わらずの愛読書です。
ネットに載せた書評(下記)を読んで、お手紙を頂戴したのも良い想い出です。
「駄菓子屋楽校」
・ほんの少し前まで、放課後の子供の溜まり場と言えば公園と駄菓子屋でした。
そこには必ずと言って良いほど、子供が親しく話せる大人が存在しました。
子供にとって親や先生の側に立たない大人はとても貴重で、
唯一といって良い秘密の理解者でだったと記憶しています。
子供達の溜まり場では、学校では学べない付き合いを学んだりしたものです。
塾などに通い、競争相手としての付き合いや行動範囲だけが広がる今、
親が入り込めない純粋な子供の居場所を求めることは困難になりつつあります。
厚い本です、データ量もかなりのヴォリュームがあります。
しかし、内容は平易で、読むだけであれば1週間もかからず読み切れます。
心にストンと、納得できる内容が相当に多いのです。
自分の少年期と重ね合わせるだけでなく、きちんと現状を踏まえた教育書として、
それだけの深い内容と価値があります。
もし縁があってこの本を手に取る機会に恵まれたら、
もう一つの教育の在り方・可能性に出会える喜びを知って頂けること、保証します。
書評日:2004/02/19
・竹内敏晴さん
極端な失言症ではなくても、誰でも一面として、話すことが出来ない場面はある。
解きほぐし、言葉を劈くアプローチを通して、人としてお互いに成長する方法を探る。
「ことばが劈かれるとき」
精神面の圧迫により、言葉が話せない子供との対話と実践を収録した書籍。
大人であっても、対人恐怖症や極度に緊張を強いられるある種の場面において、
突発的に言葉が出なくなることはあると思います。
どうして言葉が出てこないのか?
演劇研究の中で感じた「言葉とカラダのつながり」を通してコミュニケーションを図る、という実践は、
自分と置き換えて考えやすく、とても解りやすい。
素肌のコミュニケーションというか、深い部分で解り合うことの重要性を強く感じました。
子供は概して言葉が足りません。
足りないからこそ、
汲み取る側がフォローする部分が多いこと、再認識するでしょう。
書評日2004/03/24
「ミュージアム国富論」
「ミュージアム集客・経営戦略」
雑貨店構想とミュージアムの思想はかなりリンクする。
今日は利用者(来店者)の知の形成について、
お仕着せでなく、
どのように自然にリレーションシップを築いていくか。
というお題の章を読みました。
そこで感じたのは、
ミュージアムに限らず、
利用者が「知」を求める場所は広がってきているなと。
例えばショップも、
大量生産のトコロテン製品を売るだけではなく、
デザインや効能、由来を記して購買者の知を刺激しています。
地方物産の対面販売(アンテナショップ)も経験しましたが、
購買者の知的アンテナを直接刺激する対面販売の面白さは、
「商品を売る」という一過性の行為だけで終わらず、
利用者の知として、
その生涯の話題に関われる事だと思っています。
商品を通じて産地を感じ、歴史を感じ、
品物だけでなくその外に広がる世界に
興味を持ってもらえたら、
そのショップとお客さんのリレーションシップが
深まっていくんだな~と。
【思考の段階】について書かれた記述がありました。
1:まずは、考えていることがモヤモヤとまとまとまらず、
ひらめきやメタファー(暗喩)を求めている状態
2:実際に起こった現象とモヤモヤが結びついて
一つのアナロジー(類推)が生まれた状態
3:アナロジーがいくつか生まれ、深まって、
多方面から検証が行われる段階
1の段階を「ロマンスの段階」
2の段階を「思考精密化の段階」
3の段階を「思考普遍化の段階」
と、呼ぶそうです
(イギリス、ホワイトヘッドの理論による)。
ということで、
お客さん同士のリレーションシップが盛んな店に出入りしていると、
新たな「1の段階」が生まれることが多いのです。
それを言語化するまでの時間はかかりますが、
言語化されるのは、
リアルやSNSなどで、
コミュニティに集まる皆さんとお話をしている場合が
とても多いのです。
これが非常に有り難い。
「ミュージアム的な知の展開」が、
知らず知らずのうち(意図的???)に起こっているのです。
これは興味深いなぁ、、、
(書評日:2006年03月20日)
※現注:fumikuraは一般的な飲食店の範疇を逸脱してしまっているので、一般的な飲食店・雑貨店経営書よりも「ミュージアム集客~」の方が広告宣伝や自店のブランディングに役立っています(利益計算は流石に飲食店寄りですが:笑)※
<その2:中編へ続きます>←ようやく実践論へ(笑)