大人の図鑑カフェ

ぼくなつ2018(前編)「サイダー(瓶)博覧会」

ぼくなつ2018(前編)「サイダー(瓶)博覧会」

ようやく書けました「ぼくの夏休みフェア2018」。毎年の如く前編のサイダーフェアからはじまり、中編「ぼくらの夢見た未来(予定)」、後編「趣味人の花道(予定)」へと続くロングランフェア。社会人に夏休みなんぞ無い!というブラックな会社にお勤めな方も、ひとまず当店の夏休みフェアで人心地を付き、どうか癒やされて下さる事を祈りつつ。今年も7月4日より9月24日まで元気に開催させて頂きます(記事を書いている8/2時点で既に1ヶ月が経過しておりますが、、、<m(__)m>)。

そのなかでも一番力が入る「サイダーフェア」(会期:2018.7.4-9.24)は、開店来今回で3年目(2016年記事)(2017年記事)。店長の「夏の青春飲料と言えばサイダーだべ?」という想いから三ツ矢を中心としたフェアがはじまり。過去2年間の【地サイダーフェア】を今年は一旦止め(理由:地サイダーが一般名刺化してしまったため)ました。

大手サイダーの歴史を江戸時代にまで遡った大手メーカーの年表を作成し、その過程を古瓶輸送用木箱ラベル酒販店や居酒屋用ノベルティコップマッチラベル栓抜きといった実物展示と、その激動を生き残った2種類のサイダーを飲料提供する形で触れて頂くという、”サイダー好き意外には全く食指の動かない”かなり独りよがりなフェアとなっております<m(__)m>(毎年の事と言えばそうなのですが今年は特に酷い。)

①三ツ矢サイダー(アサヒフード&ビバレッジ:400円
 ※瓶の持ち帰り不可・王冠無料※
 夏のサイダーの定番と言えばこちら。もともと「サイダー」は「リンゴ酒のシードル」を語源としており、御三家で言うとフレーバーにリンゴやパイナップルを使用している三ツ矢はまさに王道中の王道。(昔はシャンペンサイダーと言っていた)専用栓抜き&氷り入りグラスでご提供致します。創業1884年。
 
②ダイヤモンドレモン(布引鉱泉所:600円
 ※空瓶150円・王冠無料※
 兵庫県西宮市のサイダー「ダイヤモンドレモン」。よく【地サイダー】と言われますが、元を正せば川崎造船まで辿り着く由緒あるサイダー。麒麟ビールとの合併話を蹴り飛ばし、創業当初から今まで、被合併を経験していない会社としてではサイダー界最古の会社となります。創業1899年。(こちらも大正期の古瓶を展示)
 また、現在も「果糖」や「ブドウ糖液糖」を使わず【砂糖】を守り通している希有なサイダー会社さんでもあります。銀巻き紙やその王冠、ラベルに今でもその矜持を感じる高級サイダーです。こちらは三ツ矢のリンゴベースフレーバーとは違い、砂糖レモン水の炭酸強め、というシンプルにして奥深い味(厳密に言えばラムネ:レモネードが語源の系列)。この機会に是非、御賞味を!(喉に絡みつかない後味のスッキリさが特徴です)

集まってしまった瓶は三ツ矢サイダーが販売開始から現行品まで5種+ドコを調べても(製造元・製瓶会社・ボトルミュージアム・防衛省防衛研究所・日本清涼飲料史まで調べた)記録に出てこない幻の瓶(詳しくは店長まで)。その向こうを張って、存続会社としてはサイダー界最古の布引鉱泉所(元々は川崎造船の川崎正蔵が創業)のダイヤモンドレモンが3種類。

その他サイダー御三家と言えば「三ツ矢」「キリンレモン」「リボンシトロン」の各種瓶、ビールと共に花開いては消えていった「花月サイダー(東京石川島の日新舎)」「タカラサイダー(宝酒造)」「本当は日本最古の系統だった金線サイダー(金線飲料→帝国鉱泉→日本麦酒鉱泉→アサヒ飲料に統合)」「オリオンサイダー(オリオンビール)」など名だたるメーカーの瓶が一堂に会しています。ということで、少々大げさながら「サイダー(瓶)博覧会」とさせて頂きました。(年表に至っては反物のように長いのですが、あまり足を止めてらっしゃる人は居ないなぁ、、、)※明治期の三ツ矢瓶(凸エンボス、凹エンボス各1本アリ)や宝酒造などの古瓶販売もございますので購入希望の場合は店長までご相談下さい※

ノ ベルティグラスも一般品から珍品まで!「三ツ矢:大正天皇即位の御大典記念グラス」「大日本麦酒合併記念全銘柄ロゴ入りグラス」から「タカラビール・タカラサイダー・タカラポンジュース(販売品アリ)」「北海道アサヒビール&三ツ矢サイダー(販売品有り)」のデットストックグラスなどをご用意。懐かしさと共にその長い歴史に思いを馳せて頂ければ幸いです。

なお、フェア本コーナーの下半分は「年表」に占領されていますが、上の棚は懐かしジュースやレトロびん、ビールラベル本など若干昭和レトロなテイスト漂う本をセレクトしています。また、島台下には手に入った分だけ大手ビール各社の社史も並んでいますので、興味のある方は是非そちらも手に取ってご覧頂ければ幸いです。

<謝辞:今回のフェアにあたりお世話になった企業様と団体、個人様>
 このたびの「ぼくの夏休み2018_サイダー博覧会_」開催に際しまして、サイダーおよびビール会社年表の作成、店頭・店内展示品のサイダー瓶やノベルティグッズの年代特定、また各種製品の発売・終売年などの各種情報を下記企業様や博物館・研究施設、個人様、また社史や業界史などより御提供頂きました。どの会社様・研究施設・団体さまにも大変丁寧且つ迅速に対応して下さり、その中には社外秘と思われる事項等も含まれていると推察され、店舗Blogでは掲載を自重した事柄も含まれていました。
 伏して感謝申し上げますと共に、各社様におかれましては今後ますますのご発展を祈念致しまして、謝辞とさせて頂きます。、、、また来年御迷惑をお掛けするやも知れませんが今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。<m(_ _)m>

①企業さま
アサヒ飲料お客様相談室(瓶類やノベルティグラスの年代に関する質問)
 https://www.asahiinryo.co.jp/
三ツ矢サイダーミュージアム(瓶・製品年代に関する取材
 https://www.asahiinryo.co.jp/entertainment/factory/akashi/tour.html
ポッカサッポロフード&ビバレッジお客様相談室
 (社史貸出・瓶・製品年代に関する質問)
 https://www.pokkasapporo-fb.jp/
宝酒造株式会社お客様相談室(ノベルティグラス・製品製造年代に関する質問)
 https://www.takarashuzo.co.jp/
サントリーホールディングス株式会社お客様相談室(製品年台に関する質問)
 https://www.suntory.co.jp/
株式会社布引鉱泉所お問い合わせ窓口(瓶・ノベルティグラスに関する質問)
 http://www.nunobiki.co.jp/
オリオンビール株式会社お客様相談室(製品年代に関する質問)
 https://www.orionbeer.co.jp/
旧新日本硝子株式会社(現:石塚硝子株式会社)
 (三ツ矢サイダー瓶の製造年台に関する質問←アサヒ飲料お客様相談室経由)

②博物館・研究所・webサイト
ボトルシアター:館長 庄司太一様(びん博士)
 (瓶製品の年代に関するインタビュー・「空きびんの歌」収録)
 http://blog.livedoor.jp/bottletheatre/
戦艦大和ミュージアムお問い合わせ窓口(呉市海事歴史科学館:戦艦大和のラムネ室設備に関する質問)
 http://yamato-museum.com/
防衛省防衛研究所資料閲覧室(戦時下における酒保経営とラムネ・サイダー取り扱いについての資料閲覧・資料写真撮影)
 http://www.nids.mod.go.jp/
国立公文書館 アジア歴史資料センター(web資料閲覧)
 https://www.jacar.go.jp/

<参考図書・資料・文献(著者・出版社等略)>
「大日本麦酒會社三十年史」(社史)
「Asahi 100」(社史)
「Asahi 120」(社史)
「麒麟麦酒株式会社五十年史」(社史)
「明治屋 百年史」(社史)
「サッポロビール 120年史 」(社史)
「サントリー 80年史」(社史)
「日本清涼飲料史」(清涼飲料業界史)
「なぜ三ツ矢サイダーは生き残れたのか」(読み物)
「大日本麦酒の誕生」(読み物)
「ザ・ジュース大図鑑」(図鑑)
「日本懐かしジュース大全」(図鑑)
「地サイダー読本」(図鑑)
「びんの話」(読み物)
「日本のレトロびん」(図鑑)
「びんだま飛ばそ」(図鑑)
「陸支大日記(号数や年月・表題は伏せます)」(日報・往復書簡)
「艦船の酒保経営について」(管理規則)
「若松資料(号数・年月・表題は伏せます)」(酒保管理規則)
「公文備考 戦艦(号数・年月・表題は伏せます)」