大人の図鑑カフェ

10月8日:トキワ荘チューダー!

10月8日:トキワ荘チューダー!

桜台から程近い、西武池袋線の椎名町駅。

その南側にある漫画家の聖地「トキワ荘」にて
何とか美味くて安く酔える飲み物は無いか?
と考えた寺田ヒロオによって考案・命名された【チューダー】(550円)。
焼酎(チュー)をサイダー(ダー)で割っただけのものですが、
当時は冷蔵庫(氷式)もなかったトキワ荘での宴会や
客人のもてなしなどに大変人気のあった”名物”です。

また、後に桜台に転居した石ノ森章太郎森安なおやも愛飲していたと伺い、
『桜台でもチューダーを!』と、再現したのがコチラのチューダーです。
再現に関しましては「トキワ荘通りお休み処」にて当時のレシピや銘柄を伺った上で、保冷やアルコール度数の調整を行い現代でも美味しく飲んで頂けるように致しました。

アニメの町練馬、そして未だ漫画家さんが多数お住まいな桜台にて、
チューダーが根付いてくれたら幸いです。

<トキワ荘について>
トキワ荘と言えば漫画の聖地。
実家の最寄り駅なのですが、
トキワ荘は線路南側で雑誌編集者の意向により漫画家が集住したのが始まりで時代で言うと戦後の昭和29年あたりからになります。手塚治虫や藤子不二雄・石ノ森章太郎・寺田ヒロオ・赤塚不二夫などなど、綺羅星の如くその後の大家を排出した有名なアパートです。当時はトキワ荘以外にも、紫雲荘(現役で豊島区が漫画家さんに実際に住んでもらいながら保存しています)、兎荘など隣り合わせに三軒あり、最盛期には併せて使われていたようです。
現在は取り壊され日本加除出版の社屋となっておりますが、現地の記念碑を筆頭に商店会や豊島区の尽力により漫画家達が通った喫茶店、中華料理、銭湯やレコード屋など様々な「縁の地」の整備が進められています。2020年3月にはトキワ荘の復元施設として【豊島区立トキワ荘マンガミュージアム】が開館し、商店会の【トキワ荘通りお休み処】【トキワ荘マンガステーション】等と共に賑わいを見せています。

<長崎アトリエ村>豊島区のホームページはコチラ
私の実家は北側で、「長崎アトリエ村」を構成する一画「桜が丘パルテノン」の真ん中あたりにあります。昭和一桁頃より画家や彫刻家、歌人、俳人、文人らが集住した地域で、私が小学校の頃(昭和50年代)までアトリエ建築も自宅の裏路地にたくさん見られました。共同井戸もその頃は水が出て、小学校地域班の夏祭りやら水遊びなどをしていた記憶があります。今は一軒を残すのみとなり、区が設置していた桜が丘パルテノンの説明板も撤去されてしまいました。
長崎アトリエ村は豊島区長崎、要町、千早町にまたがり、池袋や立教大学裏ということもあり池袋モンパルナスの流れを汲む土地柄もあったのでしょう。同じく立教裏の西池袋地域にはには江戸川乱歩さんの直系などもお住まいですし、フランク・ロイド・ライトの自由学園明日館も同流と考えられます。広域に見るとなかなか面白い地域です。椎名町(現・南長崎)の漫画文化との関連性は定かではありませんが、前述の土壌と郊外で家賃が安いといった条件が重なったのではないかと推測しています。(※ちがったらごめんなさい)