大人の図鑑カフェ

CABARET LPT Vol.2 Dawn of the Dead

CABARET LPT Vol.2 Dawn of the Dead

IMG_0964去る8月3日(水)、19:00-21:30まで当店貸し切りにて、香水ブログ「LA  PARFUMERIE  TANU」様の主催による、クラシック香水のトークイベントが開催されました。5月の盛会の余韻さめやらぬ中、二度目の開催となる今回の講演内容は 「Dawn of the Dead _蘇らせたのは誰だ_」ということで、一世を風靡した名香が時を経て復刻される際のパターンを軸に、TANU様による専門性と質の高い講演が絶妙な機知に富んだユーモアを交えてご参加のみなさまを惹き込んでいきました。この度も御来賓に香水評論家で香水専門誌PARFUM編集長の平田幸子先生をお招きし、また前回ご参加頂いた方のリピートも高く、開場前にも前乗りでお越し頂き、中毒性の高さが窺えます(笑)。詳しい内容(紹介品)に関しては今回からLPT様のブログに詳細が事前掲載されておりますが、トーク内容はさらに際どい表現に差し替えられている所もあり、写真撮影やSNS等への投稿は御法度。そして何よりこのトークセッションではムエット(試香紙)による実際の香りを体感しながら比較できることもあり、今回も盛況のうちに幕を閉じました。懇親会ではボトル実物を手に取ることも出来、終始和やかに進みあちこちで話題の花が咲いていました。私も提供側の立場でありながら、隙あらば耳を大きくして聞き入っていました。(笑)

内容に関しましては「LA  PARFUMERIE  TANU」様のブログに詳しく書かれていますのでご参照下さい。(8/7の記事にイベントの概要が、7/30-8/2の記事に詳細が書かれています。)門外漢の私が書けることは限られているのですが、レポートを少しだけ失礼します。

IMG_0972こういったクローズドのイベントで楽しいと思うのは、ビジネスでは語る事が難しい内容を取り込めることに尽きると思います。もちろんTANU様は専門誌での連載というONの部分での裏打ち(いや、そっちが表ですね、、、)が有ってこそのオフレコ。掘り下げる内容も客観的事実に基づいた上での独自の風刺が光ります。前回は香りによる分類でしたが、今回は「蘇り方のパターン」としての分類。歴史的背景が語られる部分が多かっただけに、学問学問せず、サラリとエンタテイメント性を持たせる適度な毒素が、これまた香水というある種の魔性を孕んだ分野と素敵にマッチしてビックリするほど中毒性が高いのです。もともとLPT様の専門はクラシック香水なので、メーカーブランドの歴史は元より、香料や調香士、果ては薬局や修道院の歴史にまで話が広がりますが、絶妙な匙加減で「お勉強が続くなぁ」と思う手前で必ず一息つかせてくれます。

IMG_0973「大人の図鑑図書館」を標榜するfumikuraの視点で見ると、TANU様のトーク内容はとても図鑑的です。編者によって博物学的な視野で区分・体系付けられた図鑑は、ビジュアルを主としながらも、周辺に書かれた知識を理解していくほどに様々な切り口から多角的にその分野を見渡すことが出来るようになります。NPT様で言えば、正確なデータと縦横に尽きないTANU様の話題の賜物と思われます。主観の集合が客観である様に、統一テーマに縛られず様々な切り口(前回は香り、今回は蘇り方のパターン)から見えてくる香水の奥深さ、これからも堪能させて頂きますね。役得です。

個人的に気になったのはラレー社の「SADA YAKKO」です。アール・ヌーヴォーとデコの移行期が大好物の私としては、別名ヌーヴォー博とも呼ばれる1900年のパリ万博と聞くだけで耳が大きくなります。ジャポニズムがヌーヴォーに与えた影響は朧気ながら存じていましたが、その中で川上貞奴一座の果たした役割が、女優のサラ・ベルナールに匹敵するほどに強い物だった事が驚きでした。ルネ・ラリックの香水瓶やアルフォンス・ミュシャのポスターが大好きな割に香水そのものをすっかり見落としていたんですね。名古屋に移築復元された貞奴邸「文化のみち二葉館」にも訪れていましたのに、貞奴に触発された香水があった事を知りませんでした。香水にも出てくるのかヌーヴォ-、おまえ相変わらず幅広いなぁと思いながら点と点が結びついて嬉しくなりました。私も新生ラレーの貞奴を嗅いでみたいです(笑)

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DSCF0327今回、ご興味を持たれながらも参加をためらわれた方は、是非、「LA  PARFUMERIE  TANU」様のブログや、御協賛頂いたPARFUM誌の誌面、平田様の著作をご覧下さい(店内に香水関連本のコーナーがございます)。PARFUM誌は店頭販売が無いため、定期購読のみのお取り扱いになりますが、イベント時に展示している分は自由に閲覧できます(非売品)。また、定期購読申し込み用紙も店内に用意が御座いますので、お声掛け下さいませ。なお、イベントにナンバリングがあるように、Vol.3,4,5,,,と、今後の活躍も期待されます(既に次々回以降のネタも御用意なさっているとのことです)。イベントは約3ヶ月に一度の開催になりますが、お申し込みはLPT様のブログ読者様に限らせて頂いています(当店では満席になりましてからの貸切告知となります)。最近ではメンズ香水でジェントルマン氏とのクロスレビューを展開するなど、新境地も新鮮な驚きと賞賛をもって迎えられています。ぜひ、リンク先をお訪ね下さいませ。

 

【イベント概要】

<CABARET LPT Vol.2 Dawn of the Dead>

主催:香水ブログ「LA  PARFUMERIE  TANU」様

http://lpt.hateblo.jp/

 

<バックナンバー及び著作寄贈>

香水専門誌PARFUM 平田幸子様

http://parfum-specialist.com/

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