大人の図鑑カフェ

__師走のつごもりに__

__師走のつごもりに__

__師走のつごもりに__

 

今年も、残すところ1日となりました。
fumikuraも、とうとう本日30日が本年最終営業日となりました。

ということで、
師走の晦(つごもり)、俗に言う大晦日(おおみそか)にて、締めくくりの御挨拶をば候こと。(明日の記事にてfumikura2017総捲りを書く予定ですが)

折角なので、暦のお話を、少し。
暦というのは、天文学と民俗学両方にかかわるお話になります。

__大晦日と書いて「おおみそか」と読ませるのには無理が無いか?

と、思ったことはありませんか?
難読過ぎるでしょう、と。

音読みでは「だいかいじつ」、
訓読みでは「おおつごもり」。
どこをどう切っても「おおみそか」は、無い。

最初に答えを書けば、
陰暦の毎月の最終日「三十日(みそか)」に
月齢(月相)の最終日「晦(つごもり)」の意味を当てたもの。

日本の江戸時代は太陰太陽暦を使っていて、
明治6年に太陽暦(グレゴリオ暦)に改暦しました。
この言葉はその時代の名残に由来します。

陽暦は日(太陽)の運行を基にした暦。
対して陰暦は月の運行を基にした暦です。
新月(朔)を毎月の始め(1日)として、
満月を経て極細い三日月を月の終わり(晦:つごもり)としました。
月の満ち欠けは29日とちょいなので、
月によって30日の月と29日の月がありました。

これを江戸時代は「大の月」「小の月」と読んでいたのですが、今に残る「西向く士:ニシムクサムライ」という言葉に、受け継がれています。
2月,4月,6月,9月,11月(「士」の字を分解すると漢数字の十一になる)、これは陰暦(江戸時代)の「小の月」の覚え方、です。
陽暦では30日の月と31日の月が入れ替わりで来たり、足踏みしたりしてますが、置閏のある2月と、30日の月が「西向く士」になります。

陰暦だと12ヶ月だと360日にも満たず、「閏(うるう)日」を使って誤差を修正する事になります。
太陽暦でも4年に1度の閏年(あと100年に一度の閏無し年)で調整していますが(最近は閏“秒”の入る年もありますよね)、太陰暦では「閏月(うるうづき)」を設置して丸1ヶ月増える年もあったというのだから、なんともまぁ、おおらかな時代でした。

そんな訳で、陰暦の月末は29日 or 30日で、
陰暦は月齢がそのまま日にちを表すので、
朔の日(朔日:新月の日)は1日のこと、
望の日(望日:満月の日のこと)は15日のこと、
晦の日(晦日:糸月の日のこと)は30日のこと、
を、それぞれ指す言葉になりました。

なので、単に晦日(みそか)と言えば、毎月末のこと。
優雅に言えば
「今宵、皐月(さつき/5月)の晦(つごもり)に、、、」
なんてなことになりますが、最近そんな言葉はとんと耳にしません(笑)
ともあれ、
年の終わりは最後の晦日なので、大晦日(おおみそか)に、なります。

暦として文学的に用いるときは「大晦(おおつごもり)」と言ってみましょう。
冬の季語です。

ちょっと関連する言葉として柑橘類の「八朔(ハッサク)」があります。
これは、いわゆる夏蜜柑の系統で、
「旧暦の八月朔日(8月1日)から食べられる」という伝承からの命名です。
ただ、現在はその季節ではまだまだ実が小さく食べられず、
12月上旬~2月に収穫、1、2ヶ月冷暗所で追熟の後に出荷されている模様。
ただ、
夏みかんは木にそのまま生(な)らせておいても、1年は腐らないため、
そのまま夏まで放置してから食べた方が(酸味が落ちて)美味しい、
と、知っていたんじゃないかなぁとも思うんですけど。

、、、また脱線した。il||li _| ̄|○ il||li

 

昔は毎年、年賀状には色鉛筆で一人一人絵を描いてたんですが、
ここ5年ぐらい、来た手紙にすら返事を書けない有様。

色々なところで不義理を放置しっぱなしですが、
こんな生活です、ご考慮頂ければ幸い、と、甘えてみます。
駄目かな?

そして、改めまして御挨拶を。

皆様には本年も一方ならぬ御恩情を賜り、
ジェットコースターに乗りっぱなしだった毎日に、
活力と生き甲斐を与えて頂きました。

深く感謝致しますと共に、
来る新年、皆様の益々の御活躍と御健康をお祈り申し上げます。

※画像はだいぶ前ですが、来年の干支、戌年のラフ。当時の愛犬(ポメラニアン)です。